債務整理を楽しみながら学ぶ
法律自体は二度の年末を迎える2011年3月末までの時限立法ではあるが、この円滑化の役割は期限が経過しても忘れてはならない新しい貸付の原則といえよう。
企業にとっては、企業が必要な時に資金を貸してくれることはまさに「貸すも親切、貸さぬも親切」という格言のうち「貸すも親切」の典型的なケースである。
特に工場建設等の前向きな設備投資等に関してはそのタイミングが極めて大切である。
また、今回の金融危機発生に伴う減産資金等に関してはその減産が致命的な打撃を受ける前に企業にアドバイスし、金融機関自身が進んで融資をすることが最も望ましいケースである。
次に「貸さぬも親切」のケースであるが、企業が前向きな資金にしろ、後ろ向きの資金にしろ、金融機関に借入金を申込んだ際、金融機関側は会社の収益力、財政状態、当面の資金繰り、さらには最も重要な資金使途の中身や金額を考慮して、返済に無理があり、計数的にもまた企業の先行きの事業の見通しも困難だと判断した場合、計画を一部変更させたりして、借入申込金を減額したり、また全額拒否したりすることはよくある。
資金を必要とする企業側から見れば、当然貸し渋りと映るが、このまま企業の申出通りの貸付に金融機関自身が応じた場合、将来経営が行き詰ると心配して借入申込みを拒絶することがある。
「貸さぬも親切」の場合は、金融機関側にとって将来負担となる不良債権の発生への懸念もさることながら、身の丈過ぎた借入過多は企業自身にとって大きな負担となるので、それを阻止するためのアドバイスでもあるのだ。
借入申込み当時は、融資の申込みを断られた企業側のトップは金融機関側の借入申込み拒否に対して怒るが、2、3年を経過して後を振り返った際、膨大な資金を借りて設備投資をしていたら現在その返済に苦しむだけでなく受注減の中で企業自体が立ち行かなくなった、というケースもあり、借入申込み当時の融資の担当者や課長ら金融機関側のアドバイスに感謝することもよくある。
ベテランの貸付マンともなると過去の経験の中からそうした「貸さぬも親切」のケースも多く体験している。
ここは貸す側も借りる側も「金融の円滑化」という点でもっと幅広い視野を持って検討してみることも両者の信頼関係を末永く築くためにも必要なことといえよう。
銀行経営にとっては預金者の大切な預金を守り、銀行経営を安全化、健全化するには何としても不良債権の発生とそれに伴う償却という換金処理をできるだけ抑えたい。
そのため金融機関は、金融庁のガイドラインに沿ってあくまで自主的に貸出先である債務者に対して格付を行ってきている。
これは、自己査定といわれるものである。
債務者の区分は、金融庁からのガイドラインに沿って「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5種類に区分されている。
問題は「要注意先」の区分の中にワンランク下の格付となっている「要管理先」である。
「要注意先」は「正常先」と比べて文字通り注意を要する、いわゆる問題融資先である。
この要注意先の項目の中に特に管理をしなければならない先として「要管理先」があり、繰越欠損や債務超過、元利金払い延滞、金利減免をしている貸付先が該当する。
これらの「要管理先」の債務者がさらに格下げになると銀行側は債権の保全のため貸しはがしや貸し渋りなど債権である貸付金の回収に走ることになる。
銀行は自主的に債務者の格付に応じてそれぞれの貸付金に見合う保証協会の保証や不動産などの担保価格(通常時価の70~80%相当)を差し引いた貸付金額に応じて、それぞれのランクに応じて貸倒引当金を計上している。
例えばこの引当率は、正常先は0・5%程度、要注意先は1~5%程度、さらに要管理先は10~15%程度、破綻懸念先は60%程度、実質破綻先や破綻先は100%である。
この引当率は各銀行によって若干異なるが、それほど大きな差はない。
問題は、景気の低迷が長期化するにつれ、企業業績が急速に悪下した場合、債務者である貸付先に対して、銀行側は自己査定の過程で正常先が要注意先へ、また要注意先の中からワンランク下の要管理先へと格下げされる債務者が多くなっていく点である。
さらに要管理先の中から経営が行き詰って破綻懸念先にランクを下げることなどと続き、総じて債務者区分格下げラッシュとなる。
その結果銀行は各債務者の格付区分に見合った貸倒引当金を余計に積み立てねばならず、その分収益がダウンすることになる。
景気悪化、企業業績の低下、債務者格付のランク下げ、それに伴う引当金の増加、収益の悪化へと悪循環が起こる。
「金が足りなくなったので銀行に出かけて行ったが、丁重に断られた」という不満を漏らす中小企業経営者は多い。
経営者が自分の会社を守り、わけてもスムーズな銀行取引をするには、日頃から相手の金融機関がどんなことを考えて、自社を見ているか十分に観察するのも経営の知恵である。
メインバンクをはじめ銀行の多くは、ある日突然貸しはがし、貸し渋りに走るケースは少なく、必ず事前にシグナルを送っている。
次に突然の貸し渋り、貸しはがしに会うのを防ぐためにこの事前シグナルを見てみよう。
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そうした取引関係の中で銀行によっては貸出金の保全が十分取れていると考えれば、この預金を手放してもよいと考える。
この預金は担保物件が十分でない企業が倒産した時にその貸付金と相殺の対象になる預金である。
それを取引先に自由に使ってもらってもよいという手段を選択するのは、もうこれ以上回収に不安のある貸付金を貸付けたくないからだ。
「預金を自由にお使いください」という担当者等からの申し出は、多くはもうその取引先を積極的支援はしない。
むしろ取引を縮小して貸付金を順次回収したいという意向の表れである。
銀行側が貸出金の元手になる仕入れ商品ともいうべき定期預金などの預金の解約等を積極的に勧めるのはこうした実情が隠されているのである。
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そうした取引の経緯の中で預金や他の金融商品取引への非協力振りをあからさまに表現しての金融機関側の本音の発言である。
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